その日の仕事場は自宅から電車で1時間半ほどの遠方。
自宅から最寄り駅までもタクシー、仕事場の最寄り駅から会社までもタクシー。
なるべくソロソロと静かに歩き、
「なにも起こりませんように。なにも起こりませんように」
と祈りながら会社で過ごしていました。
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急に違和感、トイレでびっくり
妊娠していることもまだ報告していなかったため、会社の方々にはなにも伝えず、出来るだけ座って過ごしながら迎えたお昼過ぎ。
デスクの椅子に座っていたところ、「あれ?」という違和感を覚えます。
急いでトイレへ。
※ここから生々しい描写を含むので、苦手な方はご注意下さい。
トイレの便器に浮かんだのは真っ赤な大量の血。
しかも、止まったかと思えば、また出る、というのを繰り返し、なかなか終わらないのです…
女性ならわかるのですが、明らかに生理2日目より多い量。
その瞬間、さーっと血の気が引きました。
「どうしよう、どうしよう…」
とりあえず、震えながら携帯電話で、けさいったばかりの病院へ連絡。
「もしもし、すみません。今日朝に鮮血が出て、見てもらったものなんですが…
先ほどから血が多く出てきて…」
「…今すぐ病院にきてください。入院することになると思います。病院に来るまでどのくらい時間はかかりますか?」
「…すみません。どうしても外せない仕事だったため、遠方の仕事場に来てしまい、今からですと、2時間はかかります…」
「…できる限り安静にして、急いできてくださいね。お気をつけて。」
事情打ち明けて早退 不安と心細さと
ティッシュペーパーを何度も折り重ねたものをパンツにしき、すぐに仕事場に戻り、まずは女性の上司に、みんなから離れた所にきてもらい、相談することにしました。
「突然すみません。緊急でご相談したいことがありまして…。あの、実はわたくし、ちょうどこれから伝えようとしていた所なのですが、妊娠をしていまして、それで…それで…今、突然大量の出血があり、大変申し訳ないのですが、帰宅させて頂きたいのですが…」
「妊娠」という言葉を出すと、子どもがお腹の中にいるという事実がしっかりと現実に浮かび上がり、それなのに、こんなに出血して大丈夫なのか、という不安と心細さが一気に吹き出してしまい、涙が次々とこぼれてきました。
「そうだったのね、心配よね。すぐにでもかえってほしいのだけれど、申し訳ないけど、私には権限はないから、一緒に女性の責任者の所にいきましょう。」
女性の責任者の所へすぐに連れて行ってくださると、その方は私のただ事ではない様子にビックリしながらも、
「そういう事情なら、こちらはどうにかなるから早く帰って!他の人たちには私から言っておくから。」
みなさんには体調不良ということにしてもらい、挨拶をして、退社。上司が駅まで車で送ってくれました。
止まらない出血、1時間半かけて病院へ
お子さんが2人いる方だったため、
「友達もね、妊娠中に色々とあってね、でも、お子さんは元気だったよ!」
と明るいお話を車内でしてくださり、少し笑うことが出来ました。心から感謝を伝えながら駅へ到着。
改札を通り、駅のホームで夫に電話。入院するかもしれないことを伝え、タクシーで駅まで迎えに来てくれるようお願いしました。
そして、電車に乗り込み、1時間半の移動。携帯で検索を続けながら、少しでも早く到着することを願うばかりでした。
その間も出血は続きます…
つづく
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