二日続けてマタハラの話題を。
3月30日に、民間団体のマタハラNetが
マタハラの被害についてのアンケートをもとにした
「マタハラ白書」を公表しました。
これ、原文を見てみたくてネットを探したんですが、
マタハラNetのサイトにも載っていないので
ウェブでは公表しないのかもしれませんね。
でも、ニュースで紹介された範囲でも色々と興味深い情報が。
今日はその辺をご紹介します。
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深刻なマタハラ被害の実態
調査は1月にインターネットで複数回答で実施し、
実際にマタハラの被害を経験した女性186人が回答しました。
企業規模でみると、社員数100人未満が44%、1000人以上が28%。
正社員が約7割、非正規社員が約3割だったそうです。
被害実態の実例を見ると、
「切迫流産で安静にするよう診断を受けた際に
上司からけじめをつけろと退職を強要された」
「残業できないなら戦力外と言われた」
「妊娠中の深夜勤務を減らすように求めると
そんな正社員はいらない、アルバイトになれと契約変更を強要された」
などなど、深刻な内容が並んでいます。
マタハラの加害者は女性が3割!
昨日のエントリーで特に意識せずに書いてましたけど、
僕はマタハラというと、どうしても
男性が女性に対してするものという感覚がありました。
でも実態はそうとも言い切れないようです。
マタハラの加害者で一番多かったのは男性の上司(30.1%)。
次に男性の経営者(19.8%)と続きますが、
3番目はなんと女性の直属の上司(12.5%)でした。
また、マタハラの加害者を性別でみてみると、
男性が55%を占めた一方、女性からが約3割にのぼりました。
その女性の3割の内訳は、「直属の上司」(12.5%)、
「同僚」(10.3%)、「経営者」(7.0%)だったそうです。
背景には女性上司たちの強烈な体験が…
あれ、ちょっと意外。女性からの被害が結構多いんだな。
理解者でもあるはずなのになんでだろ、と少し考えてみてわかりました。
現在の社会で管理職以上の立場にある女性って
これまで相当苦労してきた人がほんっっとに多いんです。
いまよりもっと女性差別が露骨だった時代。
地獄絵図のような就職氷河期をくぐりぬけて会社に入って
その中でさらに出世レースにも勝ち抜いていく。
で、そんな女性たちには
結婚、出産を経験したけど仕事もバリバリ両立したっていう人も、
ひたすら仕事に打ち込んで今のポジションを得たという人もいます。
そういう立場たちからみれば、
「私は出産したときも、育休なんて取得しないで
同僚に迷惑なんてかけなかったのに、あなたは休むの?」
とか、
「私は死ぬ気で仕事してきたから今があるのに、
あなたは結婚して、出産して、でも一線で働きたいなんて虫が良くない?」
みたいな思いを抱くこともあるのだと思います。
(もちろん全員ではないでしょうけど)
それが、約3割という数字に表れているんでしょう。
人事部のマタハラも13.4%!
あと、男女別のデータとは別に、
これもおさえておきたい数字だなと思ったのが、
人事部によるマタハラを受けたと回答した人が13.4%もいたこと。
外面的には「社員の自己実現を考えて適材適所の人材配置を!」
とか言いますけど、実態はさもありなん。
産休・育休ともなれば人員計画に狂いがでるし、
まったく歓迎できませんってことなんでしょうか。
まあ人事部は会社の管理部門なので、
本質的には労働者の思いとはそれほど相容れないってことですね。
くれぐれも、人事部を信じ過ぎないようにしましょう。
さて、色々と数字を見てきましたが、今回のアンケートは実施規模が小さいので
どこまで現実を反映できているのかは正直わかりません。
ですが、マタハラに特化した実態調査はほかになさそうですし、
なかなかインパクトのある結果だったので、
ぜひ企業の皆様には、実態改善に努めて頂きたいものです。