日付が変わってしまいましたが、昨日は4月2日。
こちらのエントリーでも紹介した通り、
世界自閉症啓発デーでした。
ニュースを見ると、東京の表参道は結構盛り上がったみたいですね。
(写真が転載不可だったのでコチラをどうぞ)
さて、せっかくなので自閉症に関する話題を。
東田直樹さんという人を知っていますか?
僕はNHKの番組を見ていて知ったのですが、
東田さんは自閉症を抱えていて、その存在に最近注目が集まっています。
今日はそんな東田さんについて紹介したいと思います。
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必見!「君が僕の息子について教えてくれたこと」
僕が見たNHKの番組というのが、
「君が僕の息子について教えてくれたこと」
と題したドキュメンタリーです。
東田さんは、13歳だった2007年、
「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」という本を書きました。
Q&Aで書き進められているこの本は、
自閉症の人々にとって多くの人が感じる疑問に対して
東田さん自身が考える答えを書き綴っています。
出版当時はそれほど話題にならなかったそうですが、
この本に感銘を受けたアイルランドの作家が英訳したことで
いまや世界中で注目を集めているそうです。
なぜその作家は、わざわざ東田さんの本を英訳したのか。
それは、この作家さんに、自閉症を抱える息子さんがいたから。
後述しますが、東田さんの本には、自閉症を持っている自分が
普段どんなことを考えているのか、どう感じているのか
その世界の一端が書かれています。
作家は東田さんの本を読んだとき、
これまでしっかりと理解できていなかった自分の息子が、
東田さんの本を通じて自分に語り掛けているかのように感じたそうです。
東田さんとこの作家さんの交流を記録したこのドキュメンタリー、
とっても良いできで、たまたま見ていた僕は
食い入るように見入ってしまいました。
NHKオンデマンドなどでも見られますので
興味のある方にはご覧になることを強くお勧めいたします。
東田さんの本は自閉症の世界の「通訳」
で、そんな映像を見せられると、やっぱり本も読みたくなるもの。
さっそくアマゾンで注文しましたが、同じことを考える人が多かったのでしょう、
発送されるまでにずいぶんと待たされました。
実際に届いた本を読んでみると、
確かにこれはすごい! と思わせられます。
ちょっとだけ、中身の記述を紹介します。
Q「いつも同じことをたずねるのはなぜですか」
A「僕はいつも同じ事を聞いてしまいます。(中略)どうしてかというと、聞いたことをすぐに忘れてしまうからです。(中略)物事がわかっていないわけではありません。記憶の仕方がみんなとは違うのです」
Q「小さい子にいうような言葉使いの方がわかりやすいですか」
A「僕たちだって成長しているのに、いつまでたっても赤ちゃん扱いされます。(中略)赤ちゃん扱いされるたび僕はうんざりするのです。(中略)みじめな気持になり、僕たちには永遠に未来は訪れないような気がします」
自閉症の人たちの世界を正確に理解することは困難を極めます。
言語での明確なコミュニケーションが難しく、
思いをはっきりとつかみとれないからです。
それが、東田さんの本では、
あくまで彼が考えていることではありますが
自閉症の人々がどんな世界で生きているのか
そのヒントを知ることができます。
自閉症の人たちは、とっても誤解されやすいです。
突然動いたり、奇声をあげたり。
事情を知らない人からみると、思わず避けたくなるかもしれません。
かくいう僕も、自閉症に対してとっても無知でした。
社会福祉士の実習で初めて近くで触れ合って
どう振る舞えばいいんだろうと、ちょっと悩んだことを覚えています。
悪意はなくても、そうした無知の積み重ねが、
自閉症の人たちに対する不寛容や、
偏見につながっているのかもしれません。
知らないことには、人間の行動は変わりません。
その点、東田さんの本はとっても簡単な言葉で書かれていますし、
未知だった自閉症の世界をわかりやすく通訳してくれます。
今回の自閉症啓発デーで少しでも自閉症に関心を持った方がいたら、
もう少し知識を深めるために、東田さんの本を読んでみてはいかがでしょうか。