社会福祉士兼ライターの紙月日記

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福祉のはなし

全国の1510施設で高齢者虐待の疑い! 日本は安心して老いれる国か

11日の朝日新聞1面にこんな見出しの記事が載っていました。

1510施設で高齢者虐待の疑い 2012年以降で調査

gyakutai

(記事はこちらから。画像もお借りしました)

ちょっとショッキングな数字ですよね。

中身をご紹介したいと思います。

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全国3万5千施設への匿名調査

「全国抑制廃止研究会」というNPOが今年1~2月、
全国の介護施設や療養型病院3万5287施設に対して
郵送で調査を行い8988施設から回答を得たそう。

そのうち、「虐待があった」と答えたのが461施設
「あったと思う」が1049施設あり、
計1511という数値は、調査に回答した施設の2割弱にあたります。

この調査、厚労省の補助事業だということで
そのうちデータも公開されるんだと思うんですが、
どうもいま現在は公開されていないみたいですね。

というわけで記事からわかることだけになってしまいますが、

ポイントとしては

職員の余裕の有無が介護の質に影響

職員数が「不十分」と答えた施設では、
虐待が「あった」もしくは「あったと思う」の割合が23%。
一方、「十分」と答えた施設では計12%にとどまった。

人手が足りない施設ほど、職員がストレスから
高齢者に暴行したり介護を怠ったりしているおそれがある

国が把握している数字と大きな差

国は自治体を通じて介護施設での虐待件数を
把握する仕組みになっていて、2013年度は221件だった。

今回の調査結果で、虐待を受けた可能性のある高齢者の数は
2203人に及んでいて、国が把握している件数と大きな開きがある。

一概に両者を比べることは正しいとはいえないが、
水面下で大量の虐待事例が埋もれている可能性は極めて高い

…といったところでしょうか。

この国で老いることへの不安

虐待とは別に、高齢者の身体拘束をしているか聞いたところ、
回答した施設の2割強、療養型病院では7~8割で
拘束を実施していたそうです。

介護施設での身体拘束は原則禁止ですが、
それが現場ではまったく守られていない
おそれが極めて強いといえそう
です。

この調査では、対外的に施設名を出さない前提で
回答を得ているそうなので、施設側も普段は語らない
実態を明らかにした可能性は大いにあります。

虐待と身体拘束、どちらの調査結果も
介護業界のブラックボックス的な実態
よく表していますよね。

「高齢者が暮らしやすい社会を」という理念はあっても
現場の環境がまったくついていっていない。

かといって、カネがない国は待遇改善などにも踏み出さない。
現場は何も変わらないのに、介護が必要な高齢者は
年を追うごとに加速度的に増えていく。

結果、無茶な制度設計のしわ寄せが現場にいって、
疲弊した職員による虐待がどんどん増えていく。

本当に、この国で老いることに対して
不安しか感じられません。

ではまた明日。

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