社会福祉士兼ライターの紙月日記

社会福祉士資格を持つライターが、社会保障に関するニュースや時事ネタ、娘の新生児脳梗塞などについて書くブログ

福祉のはなし

【書評】「超高齢社会の基礎知識」を読む

最近あんまり本を読めていないのですが、
前に買って積ん読状態だった本を読んだので軽く記録。

「超高齢社会の基礎知識」
 鈴木隆雄著
 講談社現代新書

盛りだくさんのデータを使いながら、
論旨がはっきり書いてあって
とっても印象に残る良書でした。

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「どう死にたいか」を問いかける本

本書の著者は札幌出身で、著者近影によると
最新の肩書は「国立長寿医療研究センター研究所所長」。
検索したところ、まだご在籍らしい。

読んでいくと、まず小見出しが目を引く。
「なかなか死ななくなった日本人」とか
「メタボ検診に意味はあるか」とか。

その内容はといえば、
たとえば「死ななくなった~~」の項目では
「日本人は寿命が延びたが、そのせいで
『いつか死ぬ』という当然の事実を直視しなくなった」

的なことを書いている。

その後、健康に関する指標として
今昔の年齢に応じた歩行速度のデータなどを紹介しつつ、
「高齢者は確かにひと昔より若返った」と結論づける。

一方で、データ上で裏付けられる事実として
「前期高齢者までは生存率は高く維持されるが、
後期高齢者になると急激に生存率が低下する」

とも指摘している。

つまり、高齢者自体は全体的に若くなっているが、
後期高齢者になると生存率は急激に低下する

と述べているわけだ。

そして、できるだけ健康状態を持続させて
死ぬときはあっさり死ぬという
「ピンピンコロリ」は「幻想である」と厳しく指摘する。
(データ上は、こうやって死ねるのはわずか4%程度らしい)

筆者の主張の要点はここにあって、
「誰でも後期高齢者になれば他人の世話になることになる」
「それを前提に、自分の晩年をどう生き、どう死ぬか考えるべき」

と力強く訴えている。

後期高齢者(75歳)を境に生活機能が急激に衰えていく
というデータは非常に興味深かったし、
「後期高齢者医療制度は妥当な制度だ」という主張も
こうやってデータを示された後だと説得力を持って読めた。

また、「地域包括ケアシステムをどう機能させるか」が
今後国民的な課題になる、など将来的なの見通しにも触れている。

特に終盤の提言部分は読み応えがあった。

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