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「老後の介護は地方都市で」という”姥捨て”政策

公開日: : 福祉のはなし , ,

日本創生会議の衝撃的な提言

2025年の東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)の介護需要は
2015年比の45%(54万人)増と急激に伸び、
介護施設と人材が極端に不足する――。

これは昨日4日、有識者でつくる研究機関の「日本創生会議」が
発表した推計の内容です。

この創生会議は、以前にも
「全国896の市区町村が消滅可能性都市である」
とする推計を発表して大きな注目を集めました。

今回は、将来の介護需要を公表したんですが、
東京圏の介護需要の急増に対する対策の一つとして、
創生会議は、比較的医療・介護力に余裕のある地方都市へ
高齢者が移住することなどを提言しました。

この考え方ってどうなの?

きょうはこの提言について考えます。

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「介護対策に地方移住」に感じる違和感

日本創生会議のHPはこちらでして、
「東京圏高齢化危機回避戦略」記者会見
という項目に、今回の提言に関する一連の資料がまとめられていて、
今朝の新聞各紙は一面でこの提言を取り上げています。

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(画像は創生会議のサイトより)

まだまだ資料を読み込めていないので
読んだ時点で誤りがあれば訂正しますが、
現状の僕の理解でまとめると↓こんな感じです。

<前提>
・今後10年間で東京圏の介護需要は45%も急増する
・全国でみると介護利用者は168万人増える
・一方、全国各地で看護・介護人材の不足は深刻で
東京圏だけでみても、2011年比で80万人程度の増員が必要になる
・その人材を東京圏で確保しようとすると、
地方から都会への人口流出がますます激しくなり
人口バランスの一極化が止まらなくなる

<解決策>
・こうした問題に対処するためには、
まず介護人材の垣根を低くして縦割りを排し、
マルチタスク型の介護人材を育成することが必要
・外国人の人材を活用していくことも不可欠
・さらに、介護・看護への余力がある自治体へ
高齢者が移住していくことも有効な政策である

創生会議の解決策の提言をみてみると、
なんでもできる介護人材を養成していくという、
前に紹介した日本版ネウボラに通じる部分もありますね。

とはいえ今回の主眼は「地方移住」なので
そちらについて触れることにしますが

「介護・看護に余力がある」なんていったって、
あそこにいけば介護を受けられます、
じゃあ明日から引っ越しましょうか、
なんてわけにはいかないのは火を見るよりも明らかです。

縁もゆかりもない地域に、介護をうけるためだけに移り住む。
そんな調子だと、まずそれまで築いてきた人との縁が途絶えます。
物理的に施設には同じような境遇の高齢者がいたとしても
自分の本音を打ち明けられる友人たちとは離れて暮らすことになり、
孤独感にさいなまれることは間違いないでしょう。

そして、受け入れる側の地方だって
「若いうちは都会で過ごすけど、
高齢者になった後の介護はそっちでやってね
人口も増えるし一石二鳥でしょ」と言われても

「移住者の介護に伴う費用はどこが負担するのか」
「老人人口が増えても地域の活力につながらない」
などなど、不満が噴出するのが目に見えています。

老いたら都会から地方に放り出す。
これって、まるで姥捨て山です。

もちろん、創生会議は
「高齢者が希望に沿って地方へ移住できるようにする」
としていて、無理やり本人を地方に放り出す、
という提言をしているわけではありません。

理屈で考えていくと、
これが一つの有効な選択肢であることは十分理解できますが、
現状に迫られてこうした取り組みが進められてしまうと

どんなに綺麗な建前を並べても、
実際は「本人の希望とは関係なしに地方に送り込む」
ということになってしまう気がしてなりません。

現状の地方と都会の格差を放置したまま、
ただ単にデータ上で余力があるからといって
地方移住を進めることは、僕はまったく反対です。

…報道を見てあまりに違和感があったので
とりあえずなぐり書きしてしまいました。

ちょっと脊髄反射的に反応してしまったので
またじっくり提言を読んでみて、
思うことがあれば書きたいと思います。

ではでは。

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  • 【紙月】
    紙媒体を中心に書くライター。
    福祉業界での実務経験がない中で、
    社会保障制度を詳しく学びたいと
    社会福祉士めざして一念発起。
    仕事の合間を縫って効率的な勉強法を実践し、
    第27回試験に一発合格。
    ツイッター @kamitsuki2



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