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「小1の就きたい仕事」から考える、福祉職の現在地

公開日: : 最終更新日:2015/04/11 福祉のはなし ,

先日ちょっとした話題になってましたが、
素材メーカーのクラレが実施している
新小学1年生の就きたい仕事調査の結果が出ていました。

男の子の安定の第1位はスポーツ選手
女の子はケーキ屋・パン屋。可愛らしいですね。

男の子の2位には警察官が入っていますが、
ちびっこたちよ、お巡りさんの仕事は大変だぜ。。。

福祉関係の仕事はあるかな~と探しましたが、
やはりというかなんというか、男女とも見事に圏外でございました。

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実は福祉職がちょっとだけ人気だった時代があった!

このエントリーを書くにあたってじっくりと
クラレのニュースリリースを見てみましたが、
意外な発見がありました。

さきほど「やはり福祉職は圏外だった」と書きましたが、
なんと、とある項目で福祉職がランクインした年があったのです!

それは、クラレがこの調査を開始した1992年
「男の子の親が就かせたい職業」という項目の調査で、
1.4%の親が「介護福祉関係」を挙げて、14位にランクイン
しました。

これってすっごく意外です。

当時がどんな時代だったかというと、
1989年に高齢化社会を見据えて「ゴールドプラン」がつくられ、
94年に「新ゴールドプラン」がとりまとめられました。

介護保険制度が始まったのが2000年なので、それより前。
介護福祉業界にとっては、現在の仕組みに移り変わっていく
過渡期のような時期だった
といえそうです。

なぜ介護福祉関係がランクインできたのか、
はっきりした理由はわかりませんが、
この1992年の調査で1位だったのは公務員でした。

これから介護福祉の仕事へのニーズが高まっていくことが
ほぼ間違いないという認識が徐々に広がる中で
「くいっぱぐれない確実な仕事」と考えられていたのかもしれません。

今では人気の看護師も、昔は激務薄給だった

時代を現在に戻しまして、今回の調査で
女の子の親が就かせたい職業のトップは看護師でした。

いまでこそ待遇もしっかりしていて人気職種の看護師ですが、
実は今から50年ほど前は、現代の介護職もびっくりなレベルで
ひどい労働水準だった時代があったことをご存じですか?

1960年代は看護師不足が社会問題になっていた頃で、
数少ない看護師(当時は看護婦)が病院の勤務を回すために
病棟の夜勤を1人でこなし、それが月に10回以上もまわってくる

といった異常な状態になっていました。

そんな中、現場で働く看護師たちが
「夜勤は2人態勢で、月8日以内」という待遇を求めて
あちこちの病院でストライキを起こして戦いました

(これを「2.8闘争」というそうです)

この闘争が現場の労働環境改善の糸口になったほか、
業界としても継続的に参議院に看護師出身者を送り込んで
国政の場で業界の窮状を訴えていくことで
現在につながる待遇を勝ち取っていった
のです。

これですよ、これ! 今の福祉業界に必要なのは!!

こちらのエントリーでも書きましたけど、
福祉業界の環境を良くしていくために、
たとえば議員を擁立するとかして、
戦略的に社会に訴えていくことは必要不可欠だと思います。

そうしないと、ここに人材が集まらない。
人材が集まらなければ、高齢者を支える担い手がいなくなり、
日本の福祉政策は間違いなく破綻します

ちびっこたちが憧れられる仕事っていうのは、
その職業に就いている人たちが、生き生きと働いている仕事のことです。
そして、現場で働く人たちがまっとうに生活を送ることができて
親たちが安心して就職させられる仕事のことです。

10年先、20年先を見越して、福祉業界が憧れられる仕事になるために
いまの業界団体のお偉いさんたちは、
もっと必死になって動いてほしいと切に願います。

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  • 【紙月】
    紙媒体を中心に書くライター。
    福祉業界での実務経験がない中で、
    社会保障制度を詳しく学びたいと
    社会福祉士めざして一念発起。
    仕事の合間を縫って効率的な勉強法を実践し、
    第27回試験に一発合格。
    ツイッター @kamitsuki2



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