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特養の入所、要介護3以上に限定! 2015年度介護保険法改正のポイント

春。4月。新年度。

とかく「フレッシュ」なイメージがありがちなこの季節。

とはいえ決してありがたいことばかりではなく、
行政の制度なんかも年度をまたいでガラっと変わることもしばしばあります。

福祉業界でいえば、大きな変更点として
介護保険法が改正になり、4月から制度が色々と変わりました

このあたり、社会福祉士試験にも出題されるかもですし、
なにより放っておくとすぐ5月になって旬を逃しそうなので
いまのうちにご紹介したいと思います。

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乗り越えなくてはいけない「2025年問題」

団塊の世代がそろって75歳以上になる2025年

介護を必要とする人が急激に増えていくなかで、
果たして福祉インフラがそれを支え切れるのか、という不安から、
この年を指して「2025年問題」と呼ばれます。

いまでさえ介護業界は人手が足りず
激務薄給が当たり前みたいになっています。

こんな状況がこれからも続くようなら、
急増する介護が必要な高齢者の支援に手が回らず
国内の介護サービスが破綻する
ことは目に見えています。

そこで国は、この問題を何としてでも乗り越えようと
良し悪しはさておき、色々な手を打ってきています。

その一つが、介護保険法の改正。

そのポイントは、
介護が必要な高齢者が激増するなかで、
限りある福祉資源をどう割り振り、どう対応していくのか

です。

すべては2025年問題を乗り越えるため。

改正内容を分析することで、国の考えがみえてきます

…という前提を踏まえて、実際の改正内容をみてみましょう。

特養の入所者を原則「要介護3以上」に限定

特養に関して、これまでは入所の条件として
重度の要介護度にある人で、在宅での生活が難しい人
くらいの決まりしかありませんでしたが

今回の法改正で、これが
原則として要介護度3以上に変わります。

これまでも、現場の実際の運用としては
要介護度が重い人が特養に入所していたわけで
入所者の9割近くは要介護度3以上だそうですが

それでも法改正で明文化されることで
これまでだったら入所できた1割の人たちは
原則としてそれが不可能になります。

ただ、要介護度1や2であっても
たとえば認知症で常時見守りや介護が必要だったり
家族によるサポートが期待できなかったりする場合は
特例として入所を認める
、みたいな運用になりそうです。

65歳以上の介護保険料が値上げに

こちらは高齢者の生活を直撃しそうな変更点。

介護保険料の負担が、全国の多くの自治体で上がります。

介護保険の財源は、大きくわけると以下の四つ。

①税金
②40歳以上65歳未満(第2号被保険者)が納める保険料
③65歳以上(第1号被保険者)が納める保険料
④介護保険の利用料

今回値上がりになるのは、③の1号被保険者の保険料です。

介護保険料は市町村によって違っていますが、
前年度と比べて全国平均で580円くらい上がって
5550円程度になる
ようです。

さらにさらに、個々人が支払う保険料は
その自治体ごとの保険料をベースにしたうえで
本人の収入によってかなり大きく違ってきますので
細かく知りたい方は役所の担当課にお問い合わせあれ。

要支援の一部サービスが市町村事業に移行

そもそもの前提条件ですが、
介護保険のサービスを受けるには、要介護認定を受ける必要があります。

先ほど特養の項目で紹介した要介護3っていうのもこの一つで、
一番重い要介護5から1、さらに要支援2、1の計7段階にわけられます。
要介護度が高いほど、たくさんのサービスが受けられる仕組みですね。

そして今回の改正では、
「要支援」向けの事業の一部が市町村の事業に移行される
ことになっています。

事業の一部っていうのは、具体的には訪問介護通所介護

訪問介護っていうのは、ヘルパーが自宅にきて入浴を手伝ってくれたり
掃除や料理なんかを手助けしてくれたりする支援。
通所介護はいわゆるデイサービスで、
日中に施設に通ってレクリエーションや食事をとるなどの活動をします。

こうした事業について、
これまでは国が基準となるサービスを決めていたので、
全国どこでも同じサービス内容が受けられました。

ところが、市町村の事業になると、
市町村の判断でサービス内容やその料金が設定
されるようになります。

国は「地域のニーズに応じたサービスが提供できる」
といってますが、ともすれば
自治体が違うから、受けたいサービスが受けられない
みたいな状況も起こりかねません。

要支援の人はつまり、将来の要介護予備軍なわけです。

しっかりケアをすれば要支援状態のまま元気に暮らせるはずなのに、
市町村事業に移すことで、結果的に要介護状態への進行を早める
ことにつながらないのかと、個人的にはすごく疑問に思っています。

ただし、この移行には時期的な経過措置がありまして、
市町村は2015年4月から2018年3月にかけてすべて移行を終える
ということになっています。

先行して移行していく自治体にどんな変化が起きるのか注目です。

8月から、年収280万円以上の高齢者は自己負担が2割に!

こちらはちょっとだけ先の話ですが、
8月から、年収が280万円以上ある人については
原則として介護保険の利用料が2割負担
となります。
(それ以外の人は1割負担のままです)

年金収入+その他の合計収入が280万円を超える人が対象です。

で、なんでこの額なのかというと、厚労省のこちらの資料によると、
65歳以上の被保険者のうち所得上位20%に該当する水準だから
なんだそうです。

詳しい判定方法なんかも厚労省の資料には書いてあるので
興味がある人はご覧ください。

全体に共通するのは「福祉サービスの絞り込み」

すっかり長くなってしまいましたが、
ここまで主な法改正の内容をみてきました。

見て頂けばわかる通り、国の方針は
介護サービスを受ける対象者を絞り、
国が提供するサービスを絞り、
余裕のある高齢者の負担は増やしていく

ということにあります。

個人的には、2025年という大きな山場を乗り越えるためには
ある程度こうした流れになるのはやむを得ないと思います。

ただ、この方向が行き過ぎると、
国が介護の責任を市町村や個々人に丸投げする
という状況につながりかねません。

安心して老いていける社会をつくるために。

国がどんな制度をつくりあげていくのか
これからもチェックしていきたいと思います。

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  • 【紙月】
    紙媒体を中心に書くライター。
    福祉業界での実務経験がない中で、
    社会保障制度を詳しく学びたいと
    社会福祉士めざして一念発起。
    仕事の合間を縫って効率的な勉強法を実践し、
    第27回試験に一発合格。
    ツイッター @kamitsuki2



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