*

「男性の育休取得率13%」達成は可能か ~少子化社会対策大綱を読む~

みなさんの周りの男性で、育休をとった人っていますか?
もしいるとしたら、その方はかなりレアケースです。

2013年度の男性の育児休暇取得率は、実に2.03%!
50人に一人ですから、まあほとんどいないようなもんですね。

しかし、そんな男性の育休取得率を
2020年までに13%に上げようという構想が
このほど公表されました。

いったいどんな中身で、果たして実現できるんでしょうか。

スポンサーリンク

できたてホヤホヤ! 「少子化対策大綱」に注目

3月20日、政府は「少子化対策大綱」を閣議決定しました。
つまり「大綱の内容に政府をあげて取り組んでいくぜ!」と合意したわけです。

この大綱は、少子化対策基本法に基づいて定められたもので、
総合的かつ長期的な少子化への対策指針を示しています。

大綱の策定は、2004年、2010年に続いて3回目。
今回決まった大綱についても、おおむね5年後をめどに
見直されることになっています。

(社会福祉士受験生はチェック! 大綱の原文はこちら

大綱の中身を見てみると、今後取り組む政策として
待機児童の解消や、若年層でも結婚できるような経済支援、
自治体や商工会議所による婚活支援、なんてものも列挙されています。

そして今回の本題である育休取得率については
「出産直後からの男性の休暇取得の推進」が明記されました。

数値目標は「2020年までに13.0%」

先ほど書いたように、大綱は5年後をめどに見直されるので
その時点で政策の効果測定ができるように
色んな数値目標が盛り込まれています。

いくつか例を挙げておきます。

①男性の育児休業取得率
 2013年度)2.03% → 2020年までに13%
②男性の配偶者の出産直後の休暇取得率 
 現状)数値なし → 2020年までに80%
③6歳未満の子供を持つ男性の育児・家事関連時間
 2011年)1日あたり67分 → 2020年までに1日あたり2時間30分

そもそも育児休業は、法律(育児・介護休業法)的に言うと
育休開始予定日の1か月前までに、原則として書面で申し出たうえで、
引き継ぎの準備なんかを経て晴れて休業する、という仕組みです。

奥さんの出産を機に数日間仕事を休んでいる人もちらほらいますが、
育休ではなくて、割と取得が簡単な有給休暇を充てている場合も多いです。
そういう人たちは、①ではなくて②に含まれる、ということになりますね。

男性の育休取得が増えない理由

でもそもそも、なんで男性の育休取得が進まないんでしょう。

いくつか理由を挙げてみます。

先例がなくて取得しづらい

これに該当する例はかなり多いと思いますが、
職場の同僚でとっている例がないので、
職場の雰囲気的にとてもとれませんパターン。

会社に育休制度はあるけど
上司の頭がカタくて…とか、代替要員がいなくて…
みたいな場合が多いですよね。

加えて、周りに取得者がいないために
「え、男も育休ってとれるの?」みたいな人も多そうです。
周知徹底も必要ですね。

所得が減るので取得できない

出産を機に妻が仕事を退職する例がまだまだ多く、
その場合、一家の家計は夫が支えることになります。

その場合、夫が育休を取得してしまうと、
収入がガクッと減ります。

育休中であっても雇用保険から育児休業給付金が支給されますが、
育休前の給与の3分の2や半額程度だったりするので、
収入的には結構な打撃になりますよね。

分割取得できないから利用しづらい

育休制度では原則として、休業期間は一人の子につき1回、
それもひとかたまりの期間だけです。

つまり、計1か月育休を取得すると仮定して、
5日ずつに分けて一定期間おきに取得する、みたいなことはできません。

そうなると、たとえば共働きの家庭の場合、
「週の半分は奥さんが休んで、残りは夫が休む」みたいな
ニーズもあると思いますが、それは不可能なのです。

劇的な意識改革と環境改革が不可欠!

ここまでつらつらと男性の育休取得が進まない理由をあげましたが、
目標達成に向けて、結局どうすればいいんでしょう。

「男は育休なんてとらない」という考え方が根強い日本で
ここまでの変革をしようとするなら、
ちょこっとした小手先の対応では絶対に無理です。

かなりインパクトのあることをしていかないと、
目標達成は極めて難しいでしょう。

男性の育休取得率をあげたユニークな取り組みとして
日本生命の「男性育休100%」計画があります。

そのままずばり、日本生命では男性社員の育休取得率を100%にしようと
人事部が妻の出産を控えた男性社員全員に取得計画を提出させたり、
上司からも直接促すようにしたりすることで、
2013年度は男性職員279人全員が、平均1週間程度育休をとったそうです。

まあ1週間だと女性の場合よりかなり短いですが、
それでもこれだけ大ナタをふるって改革すれば、
目標の達成はできるということの好例でしょう。

国にもぜひ柔軟な発想を発揮して、
育休制度の使いづらい部分は改めながら、
男性でも育休を取りやすい社会を作っていってほしいものです。

アドセンスサイドバー


関連記事

homeless

「ホームレスの実態調査」がまったく実態を表していない理由

4月末に厚労省から 「ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)結果について」 という調査結果

記事を読む

弁護士費用もカバー! 知的・発達障害児を守ってくれる傷害保険が登場

知的・発達障害のある子どもたちは時々、 何かに驚いて大きな動きをした結果、モノを壊してしまったり

記事を読む

ブラック企業に要注意! マンガで学ぶ労働法Q&A

本日も仕事に関する話題を。 厚労省のサイトを見ていたら、 ちょっと面白そうな資料をみつけまし

記事を読む

dakko_himo

落下事故が相次いでいた「抱っこひも」に新安全基準

小さい赤ちゃんをお父さんやお母さんが抱えるときに使う「抱っこひも」。 (画像はこちらのサイ

記事を読む

kosodate_center

今度は「日本版ネウボラ」? 子育て支援のワンストップ窓口構想を解説!

世界でも例がない超高齢化社会が進行中の日本にとって、 子どもを増やすための子育て支援は もっとも

記事を読む

overwork

過労死をなくす覚悟、ホントにあるの? 過労死防止大綱(素案)に物申す

今日も働き方に関する話題を。 4月6日に厚労省が、「過労死防止大綱」の素案を公表しました。

記事を読む

4月2日は自閉症を知る「Warm Blue」 誰かをあたためる青もある

一般的な知名度はそれほどないような気がしますが、 実は4月2日は国連が定めた「世界自閉症啓発デー」

記事を読む

kaigo

特養の入所、要介護3以上に限定! 2015年度介護保険法改正のポイント

春。4月。新年度。 とかく「フレッシュ」なイメージがありがちなこの季節。 とはいえ決して

記事を読む

プリント

「小1の就きたい仕事」から考える、福祉職の現在地

先日ちょっとした話題になってましたが、 素材メーカーのクラレが実施している 新小学1年生の就きた

記事を読む

oyako

知っておこう! 4月4日は養子縁組の日!

4月4日は養子縁組の日。 4・4でようし、ってことですね。 これは日本財団が定めたもので、

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

アドセンスサイドバー

  • 【紙月】
    紙媒体を中心に書くライター。
    福祉業界での実務経験がない中で、
    社会保障制度を詳しく学びたいと
    社会福祉士めざして一念発起。
    仕事の合間を縫って効率的な勉強法を実践し、
    第27回試験に一発合格。
    ツイッター @kamitsuki2



    にほんブログ村 介護ブログ 社会福祉士へ
    ↑ブログランキング、ぽちっと参加中!
  • 社会福祉士受験生の方や福祉関係の方など、
    ぜひ登録お願いします!
    follow us in feedly   RSS
PAGE TOP ↑